Windows11へアップグレード後のカスタマイズとトラブルシューティング

先日、遅ればせながらWindows10からWindows11(23H2)へアップグレードしたのですが、その後にいくつかトラブルが発生していることに気が付きました。

さらにデフォルトのWindows11をしばらく使っているうちに、個人的に不要に思える機能や、Windows10と比べて使いづらいと感じる部分も出てきました。

そこで本ページでは、Windows11へアップグレード後に私が行った設定変更ついて記録しています。

セキュアブートのエラー

Windowsのシステムログを確認してみると、「セキュア ブートの更新でセキュア ブート変数を更新できませんでした。」というTPM-WMIのエラー(イベントID:1796)が記録されていました。

TPM-WMIのエラー(イベントID:1796)

TPM-WMIのエラー(イベントID:1796)

このエラーはUEFIでセキュアブートが無効になっていることが原因で発生しているようです。

したがって、以下の手順でセキュアブートを有効に設定します。
(本ページではAsrockのマザーボードでの設定について記述しています。)

1. PCの起動時にDelキーを押してUEFIに入り、「Boot」画面に移動します。

2. 「Boot / CSM(Compatibility Support Module)」を選択し、「CSM」を「Disabled」に設定します。

CSMの設定

CSMの設定

3. 「Exit」画面に移動し、「Save Change and Exit」を選択してPCを再起動します。

4. PCの起動時に再びDelキーを押してUEFIに入り、「Security」画面に移動します。

5. 「Secure Boot Mode」が「Custom」になっていることを確認したら、その下にある「Install default Secure Boot Keys」を選択して「Yes」を押します。

Install default Secure Boot Keysの設定

Install default Secure Boot Keysの設定

6. 次に「Secure Boot Mode」を「Standard」に変更します。

Secure Boot Modeの設定

Secure Boot Modeの設定

7. 最後に「Secure Boot」を「Enabled」に変更します。

Secure Bootの設定

Secure Bootの設定

8. 「Exit」画面に移動し、「Save Change and Exit」を選択してPCを再起動します。

コンテキストメニューをWindows10の仕様に変更

Windows11にアップグレードすると右クリック時に表示されるコンテキストメニューが変わりますが、これが個人的に使いづらいのでWindows10の仕様に戻します。

また、これは私の環境でのみ発生するのかもしれませんが、デスクトップ上から右クリックでコンテキストメニューを開くと画面が一瞬ちらつくという現象が発生しました。
(特に動画再生時に多く発生しました。)

コンテキストメニューをWindows10の仕様に変更するには、コマンドプロンプトを管理者モードで開き、下記のコマンドを実行します。
なお、この設定はレジストリを変更することになりますので、実行に際してはあくまでも自己責任でお願いします。

コンテキストメニューをWindows10の仕様に変更するコマンド
コンテキストメニューをWindows11の仕様に戻すコマンド

コマンド実行後、PCを再起動するとコンテキストメニューの仕様が変更されます。

Usersフォルダの共有解除

私は以前からデスクトップPCに共有フォルダを作成し、自宅ネットワーク内でノートPCやスマホとのデータのやり取りに利用していました。

そして、そのデスクトップPCをWindows11へアップグレードした後にノートPCからアクセスしてみると、なぜかUsersフォルダ(C:\ユーザー)まで共有されていることに気が付きました。
(なお、デスクトップPCのコマンドプロンプトで「net share」コマンドを実行しても、現在共有中のフォルダの一覧を確認することができます。)

Windows11にアップグレードしたデスクトップPCで勝手に共有されたUsersフォルダ

Windows11にアップグレードしたデスクトップPCで勝手に共有されたUsersフォルダ

今後もUsersフォルダを共有して使う予定は無いですし、そもそも勝手に共有されて気持ちが悪いのでUsersフォルダの共有を解除します。

1. エクスプローラーで「C:\ユーザー」フォルダを選択し、右クリックで「プロパティ」を開きます。

2. 「共有」タブを選択し、「詳細な共有」ボタンを押します。

「ユーザー」フォルダのプロパティ

「ユーザー」フォルダのプロパティ

3. 「詳細な共有」設定ダイアログが表示されるので、「このフォルダーを共有する」のチェックを外します。

詳細な共有

詳細な共有

上記の設定を終え、改めてノートPCからデスクトップPCにアクセスしてみると、Usersフォルダの表示が消えました。

デスクトップPCの共有フォルダ

デスクトップPCの共有フォルダ

タスクバーの日付に曜日を追加

タスクバー右下に表示されている日付に曜日を追加し、少し便利にします。

1. コントロールパネルを開き、「時計と地域」の下にある「日付、時刻、表示形式の変更」を選択します。
 (表示方法が「カテゴリ」の場合。)

コントロールパネル(カテゴリ表示)

コントロールパネル(カテゴリ表示)

2. 「地域」設定ダイアログが表示されるので、下にある「追加の設定」ボタンを押します。

地域設定ダイアログ

地域設定ダイアログ

3. 「形式のカスタマイズ」設定ダイアログが表示されるので「日付」タブを選択し、「データ形式」の「短い形式」に「yyyy/MM/dd ‘(‘ddd’)’」と入力して「OK」ボタンを押します。

形式のカスタマイズ設定ダイアログ

形式のカスタマイズ設定ダイアログ

これでタスクバーの日付に曜日が追加されますが、曜日のカッコが必要ない場合は「yyyy/MM/dd ddd」、曜日をフルネームで表示させたい場合は「yyyy/MM/dd dddd」と入力してください。

タスクバーの日付に曜日が追加された

タスクバーの日付に曜日が追加された

カレンダーに時刻表示を追加

Windows10では、タスクバー右下に表示されている日付をクリックすると表示されるカレンダーに大きく現在時刻が表示されていました。

このカレンダーに表示される時刻がタスクバーに表示されているものよりも大きく見やすいので個人的に良く利用していたのですが、Windows11ではデフォルトでカレンダーに時刻が表示されなくなってしまったため、再び表示されるように設定します。

1. コントロールパネルを開き、「時計と地域」を選択すると次のような項目が表示されるので、「日付けと時刻」の下にある「日付と時刻の設定」を選択します。
 (表示方法が「カテゴリ」の場合。)

コントロールパネルの「時計と地域」

コントロールパネルの「時計と地域」

2. 「日付と時刻」設定ダイアログが表示されるので「追加の時計」タブを選択し、「この時計を表示する」をチェックを入れ、「表示名の入力」に適当な名前を入力した後に「OK」ボタンを押します。

日付と時刻設定ダイアログ

日付と時刻設定ダイアログ

Windows10の時ほど表示は大きくありませんが、これでカレンダーに時刻が表示されるようになりました。

カレンダーに時刻が表示された

カレンダーに時刻が表示された

なお、フリーソフトの「ExplorerPatcher」を導入するとWindows10と全く同じカレンダーが表示出来るようになりますが、スタートメニューやタスクバーのスタイルもWindows10の仕様に戻されてしまいます。

ウィジェットを非表示にする

Windows11ではタスクバー左下にウィジェットアイコンが表示されるようになりますが、Windows10ではスタートボタンがこの場所にあったため、たまに間違えて押してしまうことがあります。

そもそも個人的にウィジェットは使わないので表示させないように設定してしまいます。

タスクバー左下に表示されるウィジェットアイコン

タスクバー左下に表示されるウィジェットアイコン

1. 「設定」を開いて「個人用設定」を選択し、項目の一覧から「タスクバー」を選択します。

設定

設定

2. 「ウィジェット」のトグルをオフにします。

個人用設定

個人用設定

これでタスクバー左下には何も表示されなくなりました。

タスクバー左下のウィジェットアイコンが消えた

タスクバー左下のウィジェットアイコンが消えた

ディスククリーンアップでインターネット一時ファイルが削除できない

これはWindows10の頃から発生していたのですが、システムドライブ(Cドライブ)のディスククリーンアップで表示される「インターネット一時ファイル」が削除できない(ディスククリーンアップを実行してもサイズが減少しない)というトラブルがありました。

ディスククリーンアップ後に、下にある「ファイルの表示」ボタンを押すとファイルは削除されているようなのですが、なぜかサイズ表示は変化がありません。

ディスククリーンアップの「インターネット一時ファイル」

ディスククリーンアップの「インターネット一時ファイル」

特に実害は無いのでWindows11にアップグレードすれば直るかもしれないと思いつつそのまま放置していたのですが、Windows11にアップグレードしてもやはり「インターネット一時ファイル」のサイズはそのままでトラブルは解決されませんでした。

そこで調査してみたところ、どうやら「インターネット一時ファイル」のサイズは「WebCacheV01.dat」というファイル内のデータベースで管理しているらしいという事が分かりました。

そして何らかの原因で、実際の「インターネット一時ファイル」サイズがこのデータベース内の数値に反映されなくなってしまった、というのがこの問題の原因であるようです。

つまり、ディスククリーンアップで実際にファイルが削除されてもこのデータベースが正しく更新されないため、「インターネット一時ファイル」のサイズ表示が変化しないという事らしいです。
(断片的な情報を集めて自分なりに解釈しただけなので、これが本当に正しいという確証はありませんが…😅)

そしてこの問題を解決するには「WebCacheV01.dat」を削除すれば良いらしいので、以下にその手順を示します。
(このファイルは、削除後に再び自動作成されます。)
なお、この作業はWindowsのシステムファイル(隠しファイル)を変更することになりますので、実行に際してはあくまでも自己責任でお願いします。

1. エクスプローラーのオプションを開き、「表示」タブを選択します。

2. 詳細設定の「ファイルおよびフォルダー」>「ファイルとフォルダーの表示」で「隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する」を選択します。

隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する

隠しファイル、隠しフォルダー、および隠しドライブを表示する

3. さらに、一番下にある「保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない(推奨)」のチェックを外し「OK」ボタンを押します。

保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない

保護されたオペレーティングシステムファイルを表示しない

4. 「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\WebCache」を開き、「WebCacheV01.dat」が存在するか確認します。
(なお、このファイルはこのまま削除しようとしても削除できません。)

ファイルを削除しようとすると表示されるメッセージ

ファイルを削除しようとすると表示されるメッセージ

5. タスクマネージャーを開き、「プロセス」を選択すると起動中のプロセス一覧が表示されるので、「バックグラウンドプロセス」にある「Windowsタスクのホストプロセス」を終了させます。

Windowsタスクのホストプロセスを終了させる

Windowsタスクのホストプロセスを終了させる

6. 今度は「WebCacheV01.dat」を削除できるはずなのでこのファイルを削除し、Windowsを再起動します。

7. 念のため、再びエクスプローラーで「C:\Users\(ユーザー名)\AppData\Local\Microsoft\Windows\WebCache」を開き、新しい「WebCacheV01.dat」が自動的に作成されていることを確認します。

8. エクスプローラーのオプションを開き、手順2および手順3で行った隠しファイル表示の設定を元に戻します。

9. システムドライブのディスククリーンアップを行い、終了後にもう一度開いて「インターネット一時ファイル」のサイズが減少しているかどうか確認します。
(ディスククリーンアップ直後は下の画像のように0バイトとなりますが、しばらくすると数KB~数MBにサイズが増えます。)

正しく表示されるようになった「インターネット一時ファイル」のサイズ

正しく表示されるようになった「インターネット一時ファイル」のサイズ

NVIDIAコントロールパネルの「デスクトップカラーの調整」がリセットされる

こちらもWindows10の頃から発生していたのですが、グラフィックボードにNVIDIAのGeForceを使用しているPCでNVIDIAコントロールパネルから「デスクトップカラーの調整」で設定した画面の色が、Windowsを再起動すると時々リセットされるという問題がありました。

この問題はWindows11にアップグレードしても引き続き発生したので調べてみると、どうやらWindowsの「Calibration Loader」というタスクがNVIDIAコントロールパネルの設定を上書きしてしまうことが原因のようでした。

Windowsの「Calibration Loader」を無効にするには、以下の手順で操作を行います。

  1. タスクスケジューラを起動し、「タスクスケジューラライブラリ」>「Microsoft」>「Windows」>「WindowsColorSystem」を選択する
  2. 「Calibration Loader」というタスクが表示されるので、それを選択した状態で右クリックし「無効」に設定する
Calibration Loaderを無効にする

Calibration Loaderを無効にする

なお、この設定はWindows Updateにより初期化される可能性があるため、その場合は上記操作を再び行う必要があります。

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