これまで耳の病気とは無縁だった私ですが、ある日突然、突発性難聴という病気になってしまいました…
私はこの突発性難聴というものを今回初めて知ったのですが、医者からの説明によると非常に恐ろしい病気であることが分かりました。
そこで本ページでは、このたびの一連の出来事を、突発性難聴の体験記としてお伝えしたいと思います。
突然の止まない耳鳴り
コロナの影響である程度行動の制限はあるものの、ここ最近は特にいつもと変わった事をする訳でもなく、普段通りの生活を送っていました。
ですがある日の朝、これまたいつもと同じように目を覚ますと、右耳が「キーン」と耳鳴りがしていることに気付きました。
耳鳴りがするというのはこれまでも稀に起きることがあったので、この日も最初は「また耳鳴りか…」程度にしか思いませんでした。
ですが、これまではせいぜい数秒~数十秒程度で止まっていた耳鳴りが、この日は一向に収まる気配がありません。
また、耳鳴りと同時に耳が詰まったような感覚(耳閉感)もあって、明らかに右耳が聞こえづらくなっていました。
とりあえず耳掃除もしてみたのですが、それでも全く変化はありません。
あまり医者に行くのが好きではない私は、いつもなら「2~3日程度様子を見て、それでもダメなら医者に行ってみよう。」と考えがちなのですが、この日はちょうど時間的な余裕があり、なおかつ耳鳴りが気になって仕方なかったので、すぐに近所の耳鼻科を調べました。
そして近所のとあるクリニックが予約不要で診察可能との事だったので、その日のうちに向かうことにしました。
(結果的にはこの判断が非常に良かったというのが、後に判明する事となります。)
突発性難聴とは
クリニックで鼓膜の検査や聴力検査などを行った結果、突発性難聴と診断されました。
突発性難聴とはどのような病気かというと、MSDマニュアルには次のように記述されています。。
突発性難聴は、中等度から高度の難聴が数時間のうちに発生するもので、起床時に気づかれることもあります。こうした難聴は、原因が薬でない限り、一般的には片耳だけに起こります。突発性難聴の原因に応じて、耳鳴り(耳鳴)、めまい、動いたり回転したりしているような感覚(回転性めまい)など、他の症状がみられることもあります。
自分は突発性難聴というものをこの時初めて知ったのですが、医者から説明を受けて非常に怖い病気であることが分かりました。
まず、この突発性難聴の恐ろしい点は、現在でも発症の原因が不明であるという事です。
ストレスや過労、睡眠不足、血流障害、ウイルスなどが引き起こすのではないかと考えられているそうですが、はっきりとした原因は今でも解明されていません。
突発性難聴の原因については、ドクターズ・ファイルでも次のように記述されています。
音を感じ取って脳に伝える役割をする有毛細胞が何らかの原因で傷つくことで突然片耳または両耳が聞こえなくなる。有毛細胞が傷つく原因として、内耳の血行不良やウイルス感染などが有力視されているが、詳しいことははっきりしていない。ストレス、過労、睡眠不足などがあると起こりやすい。複数の原因が組み合わさって起こるとも考えられている。糖尿病の影響があるという説もある。
ちなみに私は、普段からイヤホンやヘッドホンをする習慣も無ければ、大音量で音楽を聴いたり、パチンコ店やクラブのような騒がしい場所へ行ったりする習慣もありません。
これまで耳を酷使するような事など無かったため、まさか自分が耳の病気にかかるとは全く予想もしていませんでした。
また、「何だか耳の調子がおかしいな…」といった予兆のようなものも一切なく、まさに病名の通り、突発的に発症してしまったのです。
こうした事に加えて、突発性難聴のさらに恐ろしい点は、完治する可能性がおよそ3分の1しかない病気だと言うことです。
医者からの説明によると、聴力がほぼ元通りまで回復する可能性が3分の1、元通りにはならないがある程度まで回復する可能性が3分の1、そしてほとんど回復しない可能性が3分の1であるという事でした。
そしてここが非常に大事なのですが、突発性難聴の治療は時間との戦いだということです。
具体的には発症してから48時間以内、遅くとも2週間以内に治療を始めた方が良いとされ、治療開始が遅くなればなるほど、上記の完治の可能性がさらに低くなってしまうそうです。
つまり冒頭で紹介した今回の私の行動は、偶然とはいえ結果としては非常にラッキーでした。
もしいつものように、「コロナもあるし、しばらく様子を見てから…」と医者に診てもらうタイミングを何日も遅らせていたら、聴力の回復具合は現在と違ったものとなっていたかもしれません。
なお、ドクターズ・ファイルでは次のように書かれていますが、いずれにしても突発性難聴の治療は早ければ早いほど良いという事には間違いないようです。
発症後1週間以内に治療を受けることが重要である。1週間以内に適切な治療を受けることで約40%の人が完治し、50%の人には何らかの改善がみられる。
突発性難聴の治療と費用
突発性難聴の治療について、人によっては点滴や注射、入院が必要となる場合もあるようです。
ですが幸いなことに、今回の私のケースでは内服治療のみでした。
突発性難聴の治療として私が処方された薬は次の通りです。
薬品 | 説明 | |
---|---|---|
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レバミピド錠100mg「Me」 | 胃粘膜を保護修復する薬 |
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メコバラミン錠500μg「YD」 | ビタミンB12を補う薬 |
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フルスルチアミン錠25mg「トーワ」 | ビタミンB1を補う薬 |
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アデホスコーワ顆粒10% | 脳、心臓、目、消化器などの働きを活発にしたり、めまいを改善する薬 |
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プレドニン錠5mg | 各種疾患における炎症やアレルギー症状、免疫反応を抑えたり、体内に不足している副腎皮質ホルモンを補う薬 |
これらの薬を数日間飲み続けた後に再び聴力検査を行い、聴力の回復が確認されたところで治療は完了しました。
ただ、薬の方はその後もしばらく飲み続けました(治療開始から1週間程度)。
なお、今回の突発性難聴の治療にかかった費用についてですが、私の場合はこのように内服治療のみだったということもあって、診療代(通院2回)と薬代(1週間分)のトータルでおよそ1万円くらいでした(保険適用)。
耳に異常を感じたらすぐに耳鼻科へ!
既に述べた通り、突発性難聴の治療は早ければ早いほど完治の可能性が高くなります。
そのため、もし皆様が今回の私と同じように止まない耳鳴りなど急な耳のトラブルに見舞われた際には、しばらく様子を見ようとは考えず、すぐに耳鼻咽喉科を受診されることを強くお勧めします!
(ちなみに、私の症状は耳鳴りと耳閉感のみでしたが、さらに吐き気やめまいを伴うケースもあるそうです。なお、もし耳鳴りがしてもすぐに収まるものに関しては、特に心配する必要は無いとの事でした。)
早期治療の重要性については、サワイ健康推進課(沢井製薬)でも次のように記述されています。
難聴やめまいが現れたら、できるだけ1週間以内、遅くとも2週間以内に耳鼻科を受診してください。
なぜ早く受診しなければいけないかというと、音を感じる神経である「有毛細胞」が障害を受けた場合、10日から2週間の間に神経変性が起こってしまうからです。神経変性は一度起こると元に戻らず、聴力も戻りません。
突発性難聴は原因不明で、ある日突然に、誰にでも起こりうる病気です。
したがって万が一に備えて、これまでお伝えした情報を頭の片隅にでも留めておいていだだければ幸いです。
繰り返しとなりますが、突発性難聴はとにかく早期治療が大事です!!
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