最近引っ越しをしたのですが、ちょうど引っ越しシーズンのせいか、新たに自宅の光回線が開通するまでおよそ1ヶ月かかると言われてしまいました。
人によってはそれまでスマホのネットのみで何とか凌ぐという手もあると思いますが、私の場合は仕事の関係で自宅PCでのネット環境が必須となるため、開通するまでの1ヶ月は何らかの方法で自宅にもネット環境を用意しなければなりません。
結果を先に言うと、先日乗り換えた楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT V)とモバイルルーターの組み合わせで当面のネット環境を整えることが出来ましたので、本ページではその手順について解説したいと思います。
ただその前にまず、その結論に至るまで他の選択肢についても検討しましたので、そこから話を進めたいと思います。
レンタルWi-Fi
短期間のネット使用ということで、まず思いついたのがレンタルWi-Fiを利用する方法でした。
そこで、レンタルWi-Fiを利用した場合のメリット・デメリットについて考えてみました。
メリット
レンタルWi-Fiを利用した場合のメリットは次の通りです。
- スマホでそのまま通話可能
- 楽天モバイルのエリアの狭さをカバー
レンタルWi-Fiを利用した場合、モバイルルーターのWi-Fiとスマホのモバイルネットワークという2つのネットワークが利用可能となります。
スマホ側は何の変更も必要ないため、もちろんスマホでそのまま電話をかけることが出来ます。
外出時はそのままスマホを持ち運ぶだけでも良いですし、レンタルWi-Fiのモバイルルーターも一緒に持っていけば楽天回線が圏外の場合でもWi-Fiでカバーすることが可能となります。
デメリット
レンタルWi-Fiを利用した場合のデメリットは次の通りです。
- コストが掛かる
- 速度制限あり
- モバイルルーターは手元に残らない
- モバイルルーターも充電が必要
例えば1ヶ月(30日)のレンタルWi-Fiを調べてみると、概ね5,000円程度は費用が掛かります。
ほとんどのレンタルWi-Fiでは、容量無制限のプランと言いながらも過度な使用(例:1日3GB以上)をすると速度制限が掛けられてしまいます。
当然ですがレンタルなので、契約終了時にはモバイルルーターを返却しなければなりません。
スマホだけでなく、モバイルルーターも充電が必要となるので少し面倒になります。
テザリング
次に思いついたのがテザリングを使う方法です。
幸い自宅は楽天回線エリア内なので、テザリングを使っても容量無制限でレンタルWi-Fiのように速度制限を気にする必要がありません。
メリット
テザリングを利用した場合のメリットは次の通りです。
- コストが掛からない
- スマホでそのまま通話可能
テザリングの場合は今ある機器だけで実現可能なので、追加コストはゼロで済みます。
レンタルWi-Fiの場合と同様に、スマホでそのまま電話をかけることが出来ます。
デメリット
テザリングを利用した場合のデメリットは次の通りです。
- ケーブル接続が面倒
- スマホのバッテリー消費
- 外出時は楽天回線のエリアに注意
USBテザリングの場合、スマホとPCをケーブルで繋ぐ必要があります。
そのため、外出時や帰宅時に毎回いちいちケーブルを抜き差ししなければなりません。
Wi-Fiテザリングの場合、USBテザリングのようなケーブル接続は不要になりますが、スマホのバッテリー消費が早くなってしまいます。
Bluetoothテザリングの場合、Wi-Fiテザリングよりはバッテリー消費量を抑えることが出来ますが、代わりに通信速度が遅くなってしまいます。
テザリングを使う方法ではスマホのモバイルネットワークしか使わないため、外出時もそのままスマホのみ持ち運ぶことになります。
そこは手軽で良いのですが、楽天回線のエリアはまだ十分に広くはないことから、場所によっては容量・速度制限のあるパートナー回線(AU)に切り替わってしまう可能性があります。
モバイルルーター
次に思いついたのがモバイルルーターを別途入手する方法です。
この方法ならテザリングのデメリットであるケーブル接続や、スマホのバッテリー消費を気にする必要がなくなります。
メリット
モバイルルーターを利用した場合のメリットは次の通りです。
- モバイルルーターは手元に残る
- テザリングよりも使い勝手が良い
レンタルWi-Fiの場合は利用後にモバイルルーターを返却しなければなりませんが、別途購入の場合はその後も手元に残すことができます。
テザリングのように、ケーブルの抜き差しやスマホのバッテリー消費を気にする必要がありません。
デメリット
モバイルルーターを利用した場合のデメリットは次の通りです。
- モバイルルーター購入のコスト
- 外出時はモバイルルーター必須
- 外出時は楽天回線のエリアに注意
- 電話での通話ができない
- モバイルルーターも充電が必要
モバイルルーターを持っていない場合、新たに購入するためのコストが掛かります。
この方法では、外出時もモバイルルーターを持ち運ぶ必要があります。
これまで外出時はスマホのみ持ち運んでいましたので、多少面倒になります。
テザリングの場合と同様に、場所によっては容量・速度制限のあるパートナー回線(AU)に切り替わってしまう可能性があります。
この方法ではSIMカードをスマホからモバイルルーターへ移すことになるため、スマホで電話をかけることが出来なくなります。
しかし詳細は後述しますが、SMSの確認だけは可能です。
レンタルWi-Fiと同様に、スマホだけでなくモバイルルーターも充電が必要となります。
モバイルルーターを選択
ここまでレンタルWi-Fi、テザリング、モバイルルーターという3つの選択肢について見てきました。
ちょうど良いタイミングで安いモバイルルーターを見つけたという理由もありますが、コストと使い勝手のバランスを考えると、自分にとってはモバイルルーターを使う方法が一番良いと考えました。
そこでここからは、モバイルルーター導入の手順について解説していきたいと思います。
HUAWEI E5577の設定
モバイルルーターもピンきりで、安いものでは3,000円程度のものから、高いものでは30,000円近くするものまであります。
今回は自宅の光回線が開通するまでの1ヶ月間使えれば良いので、とりあえず一番安いものでいいかなと思ったんですが、たまたま中古で良さげなモバイルルーターを見つけたのでそちらを購入しました。
購入したのはHuaweiのE5577というモバイルルーターです。
こちらは新品だと10,000円近くするのですが、中古では5,000円程度で購入することが出来ました。
(なお、現在は後継モデルとなるE5785も出ているようです。)
これならレンタルWi-Fiを30日間契約した場合とほとんど変わらない出費で済みますし、レンタルとは違ってモバイルルーターも手元に残ります。
また、私のスマホがHuawei P20なので同じメーカーの方がトラブルが無さそうだと思ったのに加えて、ネットのレビューで楽天モバイルでも問題なく使えるという情報を確認できたことが購入の決め手となりました。
SIMカードをセット
まずはモバイルルーター本体裏のフタを開けて、バッテリーの下にあるスロットにスマホから取り出したSIMカードをセットします。
E5577はmicro SIM対応なのでスマホから取り出したnano SIMはそのまま使えません。
本来は変換アダプターを使った方が良いと思いますが、下の写真のようにSIMがついていた元のカードからmicro SIMサイズの枠で切り取り、中のスペースにnano SIMをはめ込むことで、モバイルルーターでも問題なく使うことができました。
Wi-FiでPCと接続
SIMカードをセットしたら、モバイルルーターのバッテリーとフタを戻し、電源をオンにします。
モバイルルーターの起動を確認したところで、PCとWi-Fi接続します。
(E5577はWPS機能もあります。)
Wi-Fi接続が完了すると、PCのブラウザからモバイルルーターにアクセスすることで設定画面を開くことができます。
APNの設定
E5577の設定画面にログインし、「設定」>「ダイヤルアップ」>「プロファイル管理」のメニューでAPN設定を行います。
プロファイル名は自由な名前をつけて構いません。
(ここではrakutenと設定しています。)
ユーザー名には「rakuten.jp」を設定(Rakuten UN-LIMIT Vの場合)し、パスワードとAPNは空欄のまま保存ボタンを押します。
楽天モバイルに接続すると、下の写真のように本体ディスプレイに先ほど設定したプロファイル名が表示されます。
これで、PCの方はモバイルルーター経由でインターネットが使えるようになりました!
後はスマホの方も、Wi-Fi設定でモバイルルーターに接続すれば作業は完了です。
SMSは確認可能
モバイルルーターのデメリットでも触れたように、この方法ではスマホで電話を使うことはできません。
ただしE5577では、SIMの電話番号に届いたSMSを確認することは可能でした。
SMSを受信するとモバイルルーターのディスプレイに通知アイコンと件数が表示され、またその中身はPCからモバイルルーターの設定画面で確認することができます。
スピードテスト
さらに、モバイルルーターを使用した事による速度低下は無いかどうか、E5577にWi-Fi接続したPC上でも先日の記事と同じくGoogleのスピードテストで通信速度を測ってみました。
スマホのモバイルネットワークではダウンロードが25.6Mbps、アップロードが20.2Mbpsでしたので、E5577による速度低下はほとんど無いと考えてよいでしょう。
AUローミングには非対応
先日の記事でもお伝えした通り、私のスマホ(Huawei P20)では楽天回線エリア外に移動するとパートナー回線(AU)に切り替わり、その後は再び楽天回線エリアに入ってもなぜかずっとパートナー回線へ優先的に繋がり続けるという動作でした。
しかし今回購入したモバイルルーター(E5577)は、いわゆるプラチナバンドと呼ばれるAUローミング(Band18)には非対応のため、楽天モバイルでは楽天回線(Band3)にのみ繋がりパートナー回線には繋がりません。
(ちなみに、NTTドコモのプラチナバンドであるBand19とソフトバンクのプラチナバンドであるBand8にはそれぞれ対応しているようです。)
したがって、楽天回線のエリア外では圏外となってしまい、一切ネットが使えなくなりました。
ただしスマホの時とは違い、再び楽天回線エリアに入った時はきちんと楽天回線へ自動的に繋がります。
楽天回線しか使いたくないという場合はBand3に固定されるのである意味便利ですが、パートナー回線も使いたいという場合にはBand18に対応した他のモバイルルーターを選んだ方が良いでしょう。
しばらく使ってみての感想
楽天モバイル(Rakuten UN-LIMIT V)とモバイルルーター(Huasei E5577)の運用を開始してしばらく経ちましたが、今のところ大きな不都合はありません。
スマホもPCもモバイルルーター経由で普通にネットが使えており、気になるような速度低下もありません。
さらに自宅は楽天回線エリア内なので容量無制限&速度制限なし(加えて現在はキャンペーン期間なので楽天モバイルの料金は無料)、モバイルルーターは光回線が開通後も手元に残るということで、レンタルWi-Fiを利用するよりも断然お得です!
これまでモバイルルーターを持ち歩くことは無かったため、初めのうちはモバイルルーターを忘れて自宅に引き返すことが何度かありましたが、まあこれは慣れの問題かと思います。
また、上記の通りE5577は楽天回線しか受信しないため外出時は場所によってたまに圏外となってしまうこともありますが、幸い私の生活圏ではエリア外となるケースはほとんど無いこともあり、このためだけにレンタルWi-Fiの契約を考えるほど不自由は感じていません。
ということで、自宅や仕事場などメインとなるネット利用場所が楽天回線エリア内でなおかつレンタルWi-Fiを検討中の方は、それよりも楽天モバイルとモバイルルーターの組み合わせをオススメしたいと思います!
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