確定申告をしているフリーランスが引っ越し前にやるべきこと

引っ越しをして住所が変わると電気・ガス・水道を始めとした様々な手続きを行う必要がありますが、確定申告を毎年行っているフリーランス(個人事業主)の方は、もう一つ忘れてはならない手続きがあります。

自宅を事業所としているフリーランスの方が引っ越しをする際には、引越し前の住所(市町村区)を所轄する税務署へ「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を提出する必要があります。

確定申告書の提出先

国税庁のサイトによると、確定申告書の提出先は提出時の所轄税務署となります。

所得税の確定申告書は、提出時の納税地を所轄する税務署長に提出することになっています。

つまり、引越し前に確定申告を行う場合はこれまでと同じ税務署へ、引越し後に確定申告を行う場合は引越し先の税務署へ提出しなければなりません。

例えば3月1日に引越し予定の場合、2月16から2月28日(29日)の間であればこれまでと同じ税務署へ、3月1日から3月15日の間であれば引越し先の税務署へ確定申告を行うことになります。

そして引越し先の税務署へ確定申告を行う場合は、前述の「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」をあらかじめ提出しておく必要があります。

個人事業の開業・廃業等届出書は不要

なお、他のサイトには「個人事業の開業・廃業等届出書」も引越し時に提出しなければならないと書いてあることがあり私自身も混乱したのですが、結論から言うとこちらは提出する必要はありません!

これは税務署の職員に直接確認した情報なのですが、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」さえ提出すれば、他の情報は新しい所轄税務署へ自動的に引き継がれるそうです。

したがって、「個人事業の開業・廃業等届出書」は提出する必要がなく、さらに「所得税の青色申告承認申請書」を引越し前の税務署へ既に提出している場合は、こちらも同様に提出不要です。

つまり、前もって「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」さえ提出しておけば、引っ越し先の税務署へそのまま青色申告事業者として確定申告を行うことができます。

「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の記入方法

ここでは私が実際に税務署へ提出し承認された内容をもとに、「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」の記入方法(自宅を事業所としているフリーランスの場合)について解説します。

まずは、国税庁のページ「[手続名]所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出手続|国税庁」より「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」をダウンロードします。

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書

所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書

各記入欄への記入方法はそれぞれ以下の通りです。

  1. 引越し前の所轄税務署名と提出日を記入します。
  2. 「納税地」にあるラジオボタンは「住所地」を選択し、引越し前の住所と電話番号を記入します。
  3. 氏名、生年月日、個人番号(マイナンバー)を記入します。
  4. 職業を記入します。私は開業届の職業欄と同じ内容を記入しました。
  5. 屋号を記入します。私は開業届で屋号を申請しなかったため、ここは空欄のままでした。
  6. 引越し前も引越し後も自宅兼事務所の場合、両方とも「住所」を選択します。
  7. 今回の届出理由を記入します。私は、上のラジオボタンは「ことを便宜とする」を選択し、その下には「転居のため」と記入しました。
  8. 引き続き振替納税をするかどうか選択します。私は振替納税を選択していないため、「いいえ」を選択しました。

手続きの流れ(体験談)

最後に、私が実際に行った引越し時の手続きの流れについてお伝えしたい思います。

なお、私は引越し後に本手続きを行いましたが、書類は引越し前の税務署への提出となるため、特に遠方への引っ越しとなる場合は引越し前に手続きを済ませておくことをお勧めします。

書類の準備

まずは自宅で「所得税・消費税の納税地の異動又は変更に関する届出書」を作成、印刷します。

なお、書類の具体的な作成方法については前項の通りです。

引越し前の所轄税務署へ

次に、作成した書類を引越し前の税務署へ提出します。

私は引越し前の税務署へ直接行って提出しましたが、既に遠方へ引っ越した後など、引越し前の税務署へ直接行くのが難しい場合は郵送でも大丈夫です。

税務署へ提出した書類は、特に修正を指摘される箇所もなくそのまま承認されました。

なお、私は1部のみ印刷して提出したのですが、その時に書類の控えはあるかと尋ねられたため、控えが欲しい場合は2部印刷して持っていった方が良いかもしれません。

また、念のため「個人事業の開業・廃業等届出書」も用意し、このとき税務署の職員に確認したのですが、既に述べた通りこの書類は必要ありませんでした。

新しい所轄税務署へ確定申告

あとは、これまで通りの方法で引越し先の税務署へ確定申告を行います。

私は自宅からオンラインで確定申告を済ませました。

このように、引っ越しの際に必要となる手続きは引越し前の税務署のみとなりますので、引越し先の税務署には行く必要がありません。

コメント

  1. 大変参考になりました。どうもありがとうございました。

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