義援金ランキングから見えた意外な親日国

本日で東日本大震災から7年となりますが、海外からの義援金に関する記事について改めて調べてみると、意外な親日国が見えてきました。
震災後の義援金、米と台湾が最多 最貧国30カ国からも」(朝日新聞デジタル)

海外から日赤への義援金(朝日新聞デジタル)

海外から日赤への義援金(朝日新聞デジタル)

以前このランキングを目にしたときは、「さすがは同盟国のアメリカ!!USA!USA!」とか、「やっぱり親日の台湾、タイ!!謝謝!コープクンクラップ!」などと心の中で叫んでいました。

ですがそれと同時に、台湾やタイはともかくとして、超大国でなおかつ人口も多いアメリカが金額で1位となるのはある意味当然かも、と何となく思っていました。

そこで、今回はこのランキングをより詳しく見てみることにしました。

人口一人当たりの義援金ランキング

まずは、各国・各地域の義援金をそれぞれの人口で割り、人口一人当たりの義援金ランキングを作成してみました。

なお、人口データは「世界経済のネタ帳」より、2011年当時のものを採用しています。

国・地域名 義援金(億円) 人口(100万人) 一人当たりの義援金(円)
オマーン 10.7 3.0 357.9
台湾 29.2 23.2 125.7
モンゴル 2.9 2.8 103.9
香港 7.2 7.1 101.3
スイス 5.5 7.9 69.9
シンガポール 3.1 5.2 59.8
パプアニューギニア 3.2 6.9 46.5
タイ 20.5 67.6 30.3
アルジェリア 8.3 36.7 22.6
マレーシア 5.1 29.1 17.5
オーストラリア 3.0 22.5 13.3
英国 7.8 63.3 12.3
フランス 6.1 63.1 9.7
米国 29.9 312.0 9.6
ベトナム 7.8 87.8 8.9
イタリア 2.7 60.0 4.5
フィリピン 2.9 94.2 3.1
ブラジル 4.8 197.4 2.4
中国 9.1 1347.4 0.7
インド 4.8 1217.2 0.4

これをグラフ化すると、次のようになります。

人口一人当たりの義援金(円)

人口一人当たりの義援金(円)

グラフで見ると明らかなように、人口一人当たりの義援金に換算するとオマーンが1位となり、その金額も2位以下を大きく上回るものとなりました。

また、冒頭の義援金総額ランキングでは18位だったモンゴルが、人口一人当たりの義援金では3位と大きくランクアップする結果になりました。

各国・各地域の経済事情を反映した義援金ランキング

次に、各国・各地域ではそれぞれ経済事情も異なるので、さらにこれを考慮に入れたランキングも作成してみました。
ここでは、購買力平価換算GDP(※)を指標として用い、アメリカを基準とした割合で義援金を調整しています。

なお、購買力平価換算GDPのデータも「世界経済のネタ帳」より、2011年当時のものを採用しています。

※購買力平価換算GDPは、変動の大きい為替相場の影響を除くため各国の物価格差を調整し、その国のモノを買う力の実態を示すとされています。

国・地域名 一人当たりの義援金(円) 一人当たりの購買力平価GDP 米国と比較した購買力平価GDPの割合 調整後の一人当たりの義援金(円)
パプアニューギニア 46.5 2899.3 0.06 797.8
モンゴル 103.9 8802.4 0.18 587.3
オマーン 357.9 45561.2 0.92 390.6
台湾 125.7 40777.5 0.82 153.3
タイ 30.3 13513.6 0.27 111.5
香港 101.3 49819.0 1.00 101.1
ベトナム 8.9 4717.0 0.09 93.6
アルジェリア 22.6 13026.7 0.26 86.3
スイス 66.9 54773.5 1.10 63.5
マレーシア 17.5 21498.4 0.43 40.6
シンガポール 59.8 75013.2 1.51 39.7
フィリピン 3.1 5773.7 0.12 26.5
英国 12.3 36853.4 0.74 16.6
オーストラリア 13.3 42810.8 0.86 15.5
フランス 9.7 38657.2 0.78 12.4
米国 9.6 49733.9 1.0 9.6
ブラジル 2.4 15071.2 0.30 8.0
イタリア 4.5 35544.0 0.71 6.3
インド 0.4 4750.3 0.10 4.1
中国 0.7 10290.5 0.21 3.3

これをグラフ化すると、次のようになります。

購買力平価GDPで調整した人口一人当たりの義援金(円)

購買力平価GDPで調整した人口一人当たりの義援金(円)

すると今度は、冒頭の義援金総額ランキングでは15位、人口一人当たりの義援金ランキングでは7位だったパプアニューギニアが1位(アメリカ人が一人当たり797.8円寄付した場合に相当)となりました。

このように、経済事情も考慮に入れてみると、人口一人当たりの実質的な負担割合は、パプアニューギニアが最も大きかったことが明らかとなりました。

まとめと感想

以上、東日本大震災の義援金ランキングを見てきましたが、もちろん義援金の金額だけで全てを語ることはできないと思います。

とはいうものの、少なくともこうしたデータを通じて、各国・各地域の日本への支援に対する理解や熱意のようなものの一端は、何となく窺い知ることが出来たのではないかと思います。

個人的には、モンゴル、台湾、タイ、香港などが親日であることは知っていたので、これらが上位にランクインするのはある程度予想していたのですが、恥ずかしながらオマーンやパプアニューギニアといった国々については想像もしていなかったので、意外な結果となりました。
特に、パプアニューギニアのような、経済的に必ずしも恵まれているとはいえない国からこれだけの支援をいただいたというのは、本当にありがたいことです。

「パプアニューギニア 親日」や「オマーン 親日」で検索すると色々と出てくるようなので、これを機会に、両国についてもう少し理解を深めたいと思います。

アイキャッチ画像:(c)独眼竜ねこまさむね